山藤(山藤織物工場)は、京都府の日本海側に面した、日本三景の一つ、天橋立の近くの与謝野町(2006年、岩滝町から改名)にあります。
1833年に創業いたしましてから、約180年織物業に携わり、ちりめんを織り続けております。
従来、白生地を生産するだけの織物工場でしたが、染色技術と加工部門の方々の御協力のもと、正絹無地風呂敷(ふろしき)、また友禅風呂敷・正絹袱紗(ふくさ)をお求めやすい価格でお届け致しております。
ふろしきやふくさを使って下さる方のお気持ちを大切に10年後、20年後を見据えながら、あたたかい輪が広がりますことを心より願っております。
丹後ちりめんについて
丹後地方の絹織物の歴史は古く、約1200年も前の奈良時代に、丹後の国鳥取で織られた絹織物が聖武天皇に献上(739年)され、現在でも正倉院御物として残っています。現在の「丹後ちりめん」は、約280年前の江戸時代の享保5年(1720)、絹屋佐平治らが京都西陣より持ち帰った技術をもとに創織した「ちりめん」が始まりとされており、その後瞬く間に丹後地方全体に広まりました。そして峰山藩・宮津藩がちりめん織りを保護助長し、丹後の地場産業として根付くことになったのです。
また、丹後地方の気候風土が良質の水、適度な湿度をもたらし、今日現在まで丹後ちりめんを育んできたのです。
丹後ちりめんの特長
多くの工程を経て作られる、丹後縮緬の特質とは、
・しわになりにくく、しなやかで優美です。
・シボがあるので、肌触りの感触がすばらしい。
・染付けが良く、美しい模様や柄に染められます。
・強撚糸織物で、耐久力があって丈夫です。
・染め直しがきくので、再生できて経済的です。
丹後の織物は、あくまでも手作り、天然の糸をそのまま織物にすべく、テンションをかけずに、あらゆる工程を人間の手で行っています。
伝統文化の担い手として
京都府の北部の天橋立の近くの小さなまちに、きょうも機音(はたおと)が響き、一本一本の糸が織られ続けています・・・。
長年継承されてきた技術にさらに磨きをかけ、日本に生き続ける伝統文化の担い手としての自覚を新たに、日本一美しい丹後ちりめんを織り続けて参りたいと思っております。