きっかけは、とあるバリスタとの出会い。コーヒー専門店をオープンするにあたり、「バリスタが使いたくなる、本格的にこだわったコーヒーカップが欲しい。」と相談がありました。
「バリスタが使いたくなるコーヒーカップとは何か。」
「コーヒーを提供する表現者として何が求められているのか。」
を知ることからはじまりました。
「飲みやすさ、使い勝手」だけではなく、バリスタである提供者・表現者の視点で新たな食器デザインの考え方や視点を変えていく必要がありました。
「飲む道具」から「アートする道具」へ
これまでの陶磁器の世界では、「いかに、使いやすいか」が追求されてきました。それは、薄くても軽くても丈夫であるか、長く使える品質を保てるか。厚みは均等で焼きムラのない、安定した商品を届けられるか。それらを高い技術として注力し商品開発をしてきました。
しかしこの”ORIGAMI”では、これまでの常識にとらわれず、バリスタと同じ「表現者」であるという発想で、コミュニケーションの役割となるために、自由なアイデアをデザインしていきました。
おしゃれで楽しい、だから11色
「コーヒーは、オシャレで楽しい」と感じて、まず興味をもってもらえるようにと、カラーバリエーションを豊富にしました。気分やシーンに合わせて意図をもって選べる楽しさがそこにあります。
1つの色を決めるためにも、数多くの調合パターンをつくり色見本テストをしています。釉薬(ゆうやく:色をつけるうわぐすり)の色は、土の色とともに、熱による化学反応で色を出すもので、微妙な色加減は、焼きあがって初めて分かります。これは、焼物の楽しさ、美しさの醍醐味でもあります。全体のカラーバリエーションの中で、各色がどんなポジションで表現をしていくかを考え、納得の色を選定しています。